
Shingo Francis, Liminal Sphere (violet lake), 2025, Oil on canvas, Φ91.5 cm
フランシス真悟
Liminal Sphere
会期:2025年9月9日(火)– 10月18日(土)
オープニングレセプション:2025年9月13日(土)17:00-19:00
開廊時間:火−土(日月祝休)12:00-19:00
Press Release
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MISA SHIN GALLERY では、2025年9月9日(火)から10月18日(土)まで、フランシス真悟の個展「Liminal Sphere」を開催いたします。本展では、代表作である《Interference(干渉)》シリーズより、円形キャンバスを用いた新作絵画を中心に発表いたします。
アメリカと日本を拠点に活動するフランシスは、色彩、光、知覚空間についての深い探究を通じて、絵画の可能性を一貫して拡張してきました。《Interference》シリーズの作品は、特殊な素材を用いており、鑑賞者の視点や変化する光の条件によって顔料が異なる反射を見せ、作品そのものが光を内包しているかのような印象を与えます。この光学的現象は、空にかかる虹や蝶の羽の玉虫色を想起させ、光の粒子によって色が媒介されることへの意識を喚起します。
本展で展示される円形キャンバス作品は、2024年に茅ヶ崎市美術館で開催された個展の経験に触発されています。同館で、伝統的な床の間を思わせる特異な空間に出会ったフランシスは、《Interference》シリーズに見られる円形フォルムを独立させ、空間に浮遊するかのように提示する実験を行いました。円形キャンバスは、自然や宇宙に潜在する根源的なパターンを象徴する形態でもあります。
「Liminal Sphere」では、円とその周囲の空間との関係を再考し、方位や重力に関する基本的な知覚を問い直し、新たな技術的挑戦にも取り組んだ意欲作が展示されます。これらの円形絵画は、色彩、光、影の間における知覚体験を促し、一日の時間や天候、季節の移ろいとともに絶えず姿を変えます。鑑賞者が自然のリズム-夜明けから夕暮れ、春から冬へ-に呼応するとき、作品が地球の自転や公転、太陽系、さらには宇宙的な時間尺度にまで広がる視点を吸収していることを感じ取れるかもしれません。
フランシスの絵画は、ポスト・ミニマリズムの伝統やカリフォルニア・ライト&スペースムーブメントと共鳴しつつ、禅や自然哲学に基づく東洋的精神性をも体現しています。一枚の静止した絵画が、より大きな時間と空間の循環へと開かれ、鑑賞者の身体に深い調和を響かせます。
9月13日(土)には作家を囲んでオープニングレセプションを開催いたします。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。

Shingo Francis, Liminal Sphere (blue-emerald), 2025, Oil on canvas, Φ91.5 cm

Shingo Francis, Liminal Sphere (emerald light), 2025, Oil on canvas, Φ51 cm
フランシス真悟
1969年カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。ロサンゼルスと鎌倉を拠点に活動。フランシスは、絵画における空間の広がりや精神性を探求し続けているアーティストです。代表作として、幾層にも重ねられたブルーの抽象画や、深い色彩のモノクローム作品の他、特殊な素材を使用し観る角度によってさまざまな光と色彩が立ち現れるペインティング「Interference」シリーズが知られています。DIC川村記念美術館(千葉、2012年)、ダースト財団(ニューヨーク、2013年)、市原湖畔美術館(千葉、2017年)、セゾン現代美術館(長野、2018年)、マーティン美術館 (テキサス、2019年)、 銀座メゾンエルメスフォーラム(東京、2023年)、茅ヶ崎市美術館(神奈川、2024年)など 国内外の多数の個展、グループ展に参加。JPモーガン・チェース・アートコレクション、スペイン銀行、 フレデリック・R・ワイズマン財団、森アートコレクション、セゾン美術館、茅ヶ崎市美術館、桶田コレクション、植島コレクション、東京アメリカンクラブなどにコレクションとして収蔵。BLUE FRONT SHIBAURAや、虎ノ門ヒルズのアンダース東京のエントランスにパブリックアートを設置。