
Ozawa Tsuyoshi, I turned a Gennai-ware world map into a single continent, 2025, Clay, Glaze, 34 × 34 × 2 cm
小沢剛
「汎大陸(パンゲア)」
会期:2025年11月4日(火)– 12月6日(土)
オープニングレセプション:2025年11月8日(土)17:00-19:00
開廊時間:火−土(日月祝休)12:00-19:00
Press Release
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MISA SHIN GALLERYは、2025年11月4日(火)から12月6日(土)まで、小沢剛による個展「汎大陸(パンゲア)」を開催いたします。本展は、かつてすべての大陸がひとつに繋がっていたとされる 汎大陸(パンゲア)という地球史的スケールの概念を手がかりに、社会のさまざまな場面で分断が深まる現代において、”世界をひとつにするイメージ”を描き出そうとする試みです。
2024年、小沢は大分県別府市で、さまざまな背景をもつ8人の市民に、記憶だけを頼りに世界地図を描いてもらうワークショップを行いました。作家はそれぞれの地図をパズルのように切り離し、ひとつの大陸として再構成します。その上に彼らとの対話の印象や、彼らの好きな色彩などを重ね、8種類の“パンゲア”を描き出しました。
本展では、この絵画シリーズに加え、香川県立ミュージアム所蔵の源内焼(江戸時代中期に平賀源内の指導によって製作された三彩の陶磁器)の世界地図皿をもとに再構成した 源内焼の世界地図を1つの大陸にしてみた(2025)をはじめ、伐採木を用いた球体にパンゲアを描いた パンゲア大陸地球儀 や、小沢自身のパンゲアを描いた新作など、複数の新作を発表します。
「実感があろうが無かろうが、私たちが暮らす大地は常にゆっくり移動している。6つの大地は数億年後にはぶつかり、そして繋がり、やがて再び1つになる。そんなスケールで地球のことを考えると、現在のバラバラで少しもうまくいっていない世界はちっぽけに思えてくる。無理やりかもしれない。けれども世界をひとつにするイメージを可視化できないかと思った」と小沢は語ります。
アートには一瞬で世界を変える力はないかもしれません。しかし、小沢は作品が、ゆっくりと深く人々に浸透していく力を信じ、その可能性に耳を傾けています。正義を掲げて分断を煽るのではなく、諦めることもなく、等身大の願いのようなものが、パンゲア大陸のかたちを借りて姿を現します。
11月8日(土)には作家を囲んだオープニングレセプションを開催いたします。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。

Ozawa Tsuyoshi, Pangaea Beppu R.B.K., 2024, Oil on canvas, 45.5 x 38 cm

Installation view: Pangaea Globe at Toride Annex, The University Art Museum, Tokyo University of the Arts, 2025
小沢剛
1965年東京生まれ。1991年東京藝術大学大学院美術研究科壁画専攻修了。世界各地に自作の地蔵を置き写真におさめた作品「地蔵建立」、牛乳箱を用いてアートを展示する超小型移動式ギャラリー「なすび画廊」、美術史の名画を醤油で模写する「醤油画資料館」、野菜で作られた武器を持つ女性のポートレイトのシリーズ「ベジタブル・ウェポン」などが代表作として知られています。主な個展に2004 年「同時に答えろYes とNo!」(森美術館)、2009 年「透明ランナーは走りつづける」(広島市現代美術館)、2012 年「小沢剛: あなたが誰かを好きなように、誰もが誰かを好き」(福島県立美術館、豊田市美術館), 2018 年「小沢剛 不完全-パラレルな美術史」(千葉市美術館)、2025年「小沢剛の讃岐七不思議」(香川県立ミュージアム) を開催。2016年「さいたまトリエンナーレ 未来の発見!」や2017年「ヨコハマトリエンナーレ2017 島と星座とガラパゴス」、2025年のベルリンビエンナーレなどの芸術祭に参加。2022年3月にベネッセアートサイト直島にオープンしたヴァレーギャラリーには、新たに一部改変された「スラグブッダ88」が恒久展示されている。また、中国人アーティストのチェン・シャオション、韓国人アーティストのギムホンソックとの、さまざまな境界を越えたコミュニケーションをテーマに活動しているアーティスト集団「西京人」での展示では、2016年「西京は西京ではない、ゆえに西京は西京である。」(金沢21 世紀美術館) 、2018年「Art and China after 1989: Theater of the World」(ソロモン R.グッゲンハイム美術館,ニューヨーク), (グッゲンハイム・ビルバオ,スペイン)などに参加。現在、国立新美術館で開催中の「時代のプリズム:日本で生まれた美術表現 1989-2010」には、小沢剛および西京人の両名義で参加している。
