MISA SHIN GALLERY online project

新型コロナウイルスの世界的なパンデミックにより、美術館や文化施設がクローズする中、ミサシンギャラリーも4月よりお休みを余儀なくされております。今後の見通しも立たず、整理がつかないもやもやした感情を抱えたまま、日々アートに何ができるだろうか、アートはどう変わっていくのだろうかと思いを巡らせています。当面、ギャラリースペースでの展覧会は難しく、であれば、現状を取り巻く環境とポストコロナの時代についてアーティストどのように考えているのかその意見が未来への示唆となるのではと考え、online上で共有したい思います。

 

堀川紀夫

コロナ禍のただ中におけるこの度のアンケートに答えようと努めて自身の浅学非才ぶりを再確認できてスッキリした。総論と各論、建前と本音の齟齬はつきまとう。どの項目でも屋上屋を重ね、堂々巡りしているようでもある。誰に向かってこのアンケートに答えたのか。アンケートが逃げられない課題に思えたからである。答えには情勢次第で変わってくるものと変わらないものがある。これは情勢に応じて書き換えていかねばならないものである。今日以後の日々をコロナを防衛し、自愛と他愛の美しいバランスを奏でて過ごしたい。

Q1 新型コロナウィルスにより、かつてない価値観の大転換が起こることが予想されます。それはどのような転換になると思いますか。

新型コロナウィルスの感染拡大を緊急事態宣言に基づく在宅中心の自粛行動と現代の医療で押さえこめるのか。このコロナ禍の行く末、その終息、ゴールがまだ見えていない。このコロナ禍に以後はあるのか。「コロナ以後」は何時くるのか。

コロナウィルスはどこに潜んでいるのか。人の移動で運ばれるというこのウイルス。2週間程度の移動制限、隔離は有効な方策なのか。病院での感染がなぜ防げないのか。ワクチンが開発されるまで何年かかるのか。より強毒に変異して第2波、第3波と数年間かけて繰り返して登場するのではないか。大事なのはコロナと上手く付き合っていくことか。

言えるのは「コロナ中」においては同じ船にしか乗れない。「カルネアデスの舟板」は通用しない。今、私たちには協力・連帯・団結が求められている。できることは定着しつつあるマナーとしての「マスク着用」「手洗い」「他人との適度な距離」「除菌的行動」「外出自粛」などをその協力・連帯の証とポジティブに捉え実行することである。そのような行動を日常とすることで「コロナ以後」は徐々にやってくるであろう。それは「コロナ前」の日常、習慣、マナー、価値観とは異質なものとなるしかない。

最近、「人類は科学を信頼し非理性的な行動を取らなければコロナ禍に必ず勝つ」「他を守る利他主義が合理性のある利己主義である」という学者のインタビューを視聴した。そのような知見をベースに新型ウイルスワクチンの開発、人類に備わっている自然な治癒力として有効なウイルス抗体の形成がもたらされる夢を見たい。見えない新型コロナウイルスとの戦いは、人間一人一人の煩悩の三毒(貪・瞋・痴 とん・じん・ち)からの解放、社会の民主的なあり方を追究し続ける長期戦でもあることは間違いない。

Q2 その大転換期に、私たちアートに関わる者はなにをすべきだと考えますか。あるいはどうあるべきだと思いますか。

「コロナ中」にあってアートに関わる者が何をどうすべきかはそれぞれに立場が別れるところとなる。私はアート至上主義であってはならないと考える。この「コロナ中」の時を生きた一人の人間として、その生命の刻印としての表象を残し続けることが肝要である。免疫力を損なわないように生活を律し健康維持に努め、魂を自由にして民主的に考えること。その時ならでは生まれ得ないユニークな美、新鮮な美を表現することである。アート創作のコンセプトは、その造形性(色、形、材料)などの諸要素で生成される意味世界にある。このことは、複合的ジャンル、非造形の観念的アート、あらゆる表現でも変わることはない。アート創作は一人でもできる。創作は自分一人を観客とする意味生成過程である。そして自分以外に観客がいなくとも展覧会は成立すると考えられる。アーティストは活動を持続することである

作品を展示して多数の観客が三密してそれを享受する「展覧会のあり方」は問われている。「コロナ中」は美術館や画廊、劇場、ライブハウスなどの箱物空間に密集する入場者は迎えられない。特に鑑賞のあり方を改変しなければ大型展などは成立しない。人的安全、物的安全、鑑賞の方法など、ウイルスからの防御の必要から注意事項が多くなってくる。何れにしても、箱物空間での展覧会ではこれまでの動員数をあてにする集客主義、経済主義が成り立たない。展覧会というイベントの経営が根本から揺らいで、すでに多数の展覧会は中止されている。「コロナ中」で画廊展の場合、オープニング鑑賞をオンライン環境の中で行うようにする。第二段階のオリジナルの実物を直接鑑賞する場合は予約システムを用いた人数制限をすることが加速されように思われる。観客の密集を回避できる広大な野外の展示の例は大地の芸術祭を筆頭に先行例がある。この例でも話題の作品では密集が起っていた。野外での鑑賞にも「マスク着用」が必要になってくる。

Q3  多くの美術館やギャラリーがクローズし、オンラインのビューイングに切り替えています。実際に見たり体験することが出来ないというかつてない状況の中で、アートの表現においてインターネットや新しいテクノロジーはどのような変化、または進化をもたらすと考えますか。

インターネット環境において沢山のアーティストが個人サイトやブログを公開している。FacebookInstagramtwitterでオリジナル作品を発表している例は多々ある。Web発注による印刷システムで小作品集の発行も容易にできるようになった。テレワークと同じようにテレギャラリーとして運営することは可能性を広げる。キューレターはコーディネーターとしての役割を前面に出して作家と観客を結ぶ役割を担う。Zoomなどテレワーク、オンライン会議や授業ができる双方向型のツールがある。作家のアトリエと観客がWebを通してコミュニケーションする方式も可能である。自分にとって使い勝手の良いテクノロジーを使っていけば良い。PC、スマホなど使えるテクノロジーを必要に応じて使用して発表していく。今後、テクノロジーは更にハイブリッド的に開発され続け使いやすくなっていくと楽天的に考えている。

GAFAでも個人情報の流出事件があった。運営サイトの巨大メモリーに使用者のデータは順次記録蓄積される。使用者のデータはBigDataの一部となる。その活用は分析次第ということである。Web上では権力に批判的な表現も検索により簡単に把握されてしまう。そのようにWeb上の表現は監視されているに違いない。だがそれを恐れていては表現の自粛が進むほかない。Web上での犯罪も多い。アドレスに入り込んで受信者を発信者にして恐喝的メールが送られてくることがある。Web上でのプライバシーや著作権は守らなければならない。不正アクセスは防がなければならない。サイトに出入りするための認証システムがより適切に進化することを願う。

一旦、美術館やギャラリーから離れて考えてみることで可能性が広がってくる。美術館やギャラリーだけがアートの場所ではない。至る所にアートの場所はある。郵便制度をつかったメール・アートは、見せたい相手に直接的に作品を送りとどけることができる。宅配便のアートもある。アトリエや自宅に小さな展示ギャラリーをつくっての小規模な発表。身近な空き地や路地、屋根や屋上でも展示できる。そこから螺旋を描いてインターネット環境にリターンしていけば良い。

Q4 このパンデミックは人間が自然に対して行ってきた報いであるとも言われています。であれば、人間コミュニティの一員としてアーティストはどうあるべきであると考えますか。

現在、この一つの地球を浪費している人類。核保有国が我が物顔している人新世である。今、世界の国々は米国を筆頭に自国主義傾向の鎖国を強め、短期的な経済主義で地球の資源を奪い合っている。地球温暖化が進んでいることで異常的気象が頻発している。氷河は消滅を加速している。時々規模の大きな太陽フレアも起こる。人類は未来を楽観することはできない。自然保護と資源活用のバランスはすでに破綻している。原子力発電で排出される放射性物質は処理不能で環境に大きな負荷をかけ続けている。人類にはソーラー発電などの自然エネルギーの活用に希望が残されているだけである。

コロナ禍により世界的には数十万の死者、その人的資源の大喪失。どの国にも計算不可能な大打撃、巨額な経済損失が残るはず。発展途上、後進国と呼ばれる国はどうなるのか。政治権力が健康管理の方法としてコロナの感染データを集め、配布金や休業補償金の支給でマイナンバー制度の日常化を強く進め、それを市民の行動監視や憲法改正へと世論誘導に利用するようなことにならぬよう注意が必要である。

三密の克服、脱三密をコンセプトとする新たな発想がすべての分野に求められている。各論になるとごく小さな風呂敷になるが、アーティストとして針の穴ほどの試みがある。最近は資源の有効活用を目指すエコ的な考え方を重視し主に木材を使って「組み立て解体方式」の作品を追求してきている。インターネット環境と無関係では今後の生活は成り立たない。その使いこなし、デジタル表現の可能性の追求も重視したい。

Q5 他になにかメッセージがあればお願いします。

毎日が緊急事態宣言の「コロナ中」である。政府が配布を表明したマスクはまだ届いていない。そんな「コロナ中」の日々にフル稼働で働いている医師、病院組織、医療従事者、食を支える農業、漁業、食品製造業、コンビニやスーパーの従業員、調理師、理容業、運送、郵便従事者、電気ガス水道などのおかげで短期的な生活を営むことに不自由はしてない。これらのインフラを支えてくれている業種の従事者に大感謝を捧げ、その社会的な重要性を再認識し心より大きな拍手を送りたい。

コロナ禍で倒産や解雇が多発し深刻な経済状況が長引くと生きる力を失い自殺数が増えると予想される。生命は失われたら戻らない。コロナ情勢は大混乱、大災害に向かうか、安心安寧に向かうか、予断を許さない。変化する日々のコロナ情報を共有して連帯行動を続け、コロナ終息への展望を描き一応の結びとしたい。(5月3日)

 

 

篠田太郎

Q1 新型コロナウィルスにより、かつてない価値観の大転換が起こることが予想されます。それはどのような転換になると思いますか。

 

Q2 その大転換期に、私たちアートに関わる者はなにをすべきだと考えますか。あるいはどうあるべきだと思いますか。

 

Q3  多くの美術館やギャラリーがクローズし、オンラインのビューイングに切り替えています。実際に見たり体験することが出来ないというかつてない状況の中で、アートの表現においてインターネットや新しいテクノロジーはどのような変化、または進化をもたらすと考えますか。

 

Q4 このパンデミックは人間が自然に対して行ってきた報いであるとも言われています。であれば、人間コミュニティの一員としてアーティストはどうあるべきであると考えますか。

 

Untitled, 2020

 

 

彦坂尚嘉

無題(夜)1, Inkjet Print, 2020

フランシス真悟

Q1 新型コロナウィルスにより、かつてない価値観の大転換が起こることが予想されます。それはどのような転換になると思いますか。

今まで当たり前だと思っていたことを、ありのままに味わっていける、味わないといけなくなったからこそ、日常生活の中にある小さなことにも気が付き、喜びを感じることが大切になるのでないか。以前は大きな目標、成功、人間関係(人の注目を浴びる、たくさんの人に出会うなど)に向けて、満足感を得ようとしてきたが、そのような漠然とした目標から、もっと具体的なものになり、特に大切にしている人との関係を深めていくのではないかと思います。地球、環境をもっと大切にしていく。環境のことをもっと考えることで、仕事の仕方、ライフスタイルが変わっていくのではないでしょうか。

Q2 その大転換期に、私たちアートに関わる者はなにをすべきだと考えますか。あるいはどうあるべきだと思いますか。

このパンデミックの影響で、どんなに人や人類が繊細なのかわかってきた。作品自体そのもののが、人間性のあるメッセージや表現がある作品が求められてくると思うので、アーティストとして、人との繋がり、心を動かす作品を生みだしていくことがもっと重要になってくると思います。

ギャラリーや美術館などは、今までの無駄が無いやり方やアートマーケット中心の作品評価ではなく、作品そのものの価値(人に感動を与えるかどうかなど)を考えて、アートをサポートする変換が必要ではないか。

Q3  多くの美術館やギャラリーがクローズし、オンラインのビューイングに切り替えています。実際に見たり体験することが出来ないというかつてない状況の中で、アートの表現においてインターネットや新しいテクノロジーはどのような変化、または進化をもたらすと考えますか。

インターネットや新しいテクノロジーでは、やはり作品を鑑賞するには失う要素があり、限界があると思う。しかし、テクノロジーで、アーティストが新しい方法で人と繋がるチャンスが生まれるのではないか。今まではオープニングなどの機会があっても、時間や空間の制限から、簡単な挨拶しか出来なかった経験があるが、このように人が違う方法で繋がるチャンスが増えていることから、アーティストもスタジオでの制作の映像配信、対話やトークなどの機会が増えるだろう。そして、ギャラリーはそのようなプラットフォームを提供して、総合的に動いていく、チャンスである。

Q4 このパンデミックは人間が自然に対して行ってきた報いであるとも言われています。であれば、人間コミュニティの一員としてアーティストはどうあるべきであると考えますか。

地球が破壊に向かわないように自分の行動、生活パターンを変えていく。また、アーティスト自身が自分に向き合い、何が大切なのか、謙虚に探っていくこと。常に世の中の動きに注意し、学び、自分ができることを考えがなら生きていくことが、将来的に作品に反映されると思う。

Q5 他になにかメッセージがあればお願いします。

コロナウィルスの騒ぎが起きてから、SNSでデイリードローイングを発表しています。このドローイングは今の状況から感じたことに空間をつくって、その日その日に表現を与えています。いろいろな反応をいただき、そこで新しい関係を築いたり、気づきがあります。小さいことですが、毎日やることで、アートができるサポートを社会に還元して、また自分も社会に繋がる活動になっています。

#dailydrawing
https://www.instagram.com/shingofrancis/

Here We Go, 2020
Heaven Knows, 2020

 

 

小沢剛

Q1 新型コロナウィルスにより、かつてない価値観の大転換が起こることが予想されます。それはどのような転換になると思いますか。

世界同時に起きたカタストロフということと、インターネットによる情報の交換が多いことで、今までと違う価値が起きうると想像します。

Q2 その大転換期に、私たちアートに関わる者はなにをすべきだと考えますか。あるいはどうあるべきだと思いますか。

具体的な案はまだ無いけど、少なくとも泣き言は言わない、弱い人の声に耳を傾けたいと思う。昨日、インドのミュージシャンとメッセージのやり取りをしながらそう思った。

Q3  多くの美術館やギャラリーがクローズし、オンラインのビューイングに切り替えています。実際に見たり体験することが出来ないというかつてない状況の中で、アートの表現においてインターネットや新しいテクノロジーはどのような変化、または進化をもたらすと考えますか。

非物質的な表現の進化と定着は間違いなく進むが、旧来の物質的な表現が消えるわけではなく、バリエーションが増えると思う。

Q4 このパンデミックは人間が自然に対して行ってきた報いであるとも言われています。であれば、人間コミュニティの一員としてアーティストはどうあるべきであると考えますか。

全てはカルマ。静かに謙虚に受け入れるだけです。

Q5 他になにかメッセージがあればお願いします。

残念ながら預言者めいたことは何も書けないが、作家たちの作品を作る手は誰も止まっていないと思う。

 

 

鳥光桃代

Q1 新型コロナウィルスにより、かつてない価値観の大転換が起こることが予想されます。それはどのような転換になると思いますか。

長引くソーシャルディスタンシングで、物理的にそこにいることが必要なことと、そうでないこととが、無理やりとはいえ露呈してしまった今、人の流れ、モノの流れ、お金の循環の仕方、コミュニケーションの仕方など、かつてない速さで変わっていくのではないか、と思います。 NASAの火星探査機を操縦する科学者たちも在宅ワークを強いられて、実際自宅から火星の岩石のサンプル採集をする中、日本の企業はハンコを押すために命をかけて出勤する必要が本当にあるのか?とか。

私は、初期の頃に匍匐前進する実物大の日本のサラリーマンの機械彫刻を作りました。その時考えたのは、20世紀後半の日本発祥の文化はサラリーマンの在り方と関係が深い、ということです。長い電車通勤に週刊誌や大人向けコミック、会社のストレス発散や接待(?)にカラオケや日本特有のセックス産業、またコンパニオンが女性的な魅力を振りまきながらお酌をしてくれることの対価としてお金を払うというシステムなどが出てきたのではないか、というのが私の持論です。が、それは高度成長期の日本の価値観であって、これからくる価値観の大転換によって違う方向へシフトすると思います。

身近なところでいえば、今私が住むニューヨークで、日本ならお辞儀する場面での握手やハグ、親しさを込めたチークキスは一般的でした。5月半ばあるいはそれ以降に、2ヶ月(あるいはそれ以上)に及ぶソーシャル・ディスタンシングの後、私たちはきっと、握手やハグをすることを躊躇するという、今までになかった意識の内在に戸惑うと思います。

Q2 その大転換期に、私たちアートに関わる者はなにをすべきだと考えますか。あるいはどうあるべきだと思いますか。

アートに関わる人たちが何をすべきか、というのは、その人がどういう関わり方をしているのかによって担うべき役割が違うと思います。

アートが社会の中でぼんやりとしていたものを切り取ってきてその輪郭をはっきりさせたり、別な角度からの視点を試みたり、あるいはそこに潜在する何かを匂わせつつも人々を笑わせて元気付けたりすること、そしてもちろんシンプルに人を圧倒する力強さや美しさという形でのアートも、それは大転換期であるかどうかに関わらずこれからも続いていくと思います。極論、「アーティストは大転換期にもアートを続ける。」

転換期を迎えるのは、どのように見せるのか、どのように体験するのか、そして美術館やギャラリー、コレクター、アーティストなどみんなを含めてどのようにお金が循環するのか、美術教育は方向性を変えるべきなのか、そういったところだと思います。それに関連して、今までになかった新しいアートの肩書きが出てくるかもしれない。

Q3  多くの美術館やギャラリーがクローズし、オンラインのビューイングに切り替えています。実際に見たり体験することが出来ないというかつてない状況の中で、アートの表現においてインターネットや新しいテクノロジーはどのような変化、または進化をもたらすと考えますか。

美術館やギャラリーだけでなく様々なミュージアムがバーチャルで閲覧できるようになりました。植物園や動物園、水族館なども。私のすむニューヨーク市ではそれぞれの観光スポットにバーチャルで行けるようになりました。それを好むかどうかはともかく、VRやARが、今まで以上に身近になっていくのは必至だと思います。それを進化というべきなのかどうかはわからないですが。あるいは真逆の、直接的に経験することの価値が今以上に上がるかもしれません。

Q4 このパンデミックは人間が自然に対して行ってきた報いであるとも言われています。であれば、人間コミュニティの一員としてアーティストはどうあるべきであると考えますか。

コロナが地球に対するワクチンで、私たち人間が地球環境にとっての撃退すべきウイルスである。人間が生産活動を抑制することで地球が綺麗になった!というネット上の誰かのコメントに、ニヤリとしました。今後の価値観の転換で是非そこが考慮されることを望みます。

そもそもパンデミックとは生態系への人間の無秩序な進出によるものであって、目の前にある問題の枠が大きすぎて、アーティストとしてというより人間としてどうあるべきかと考えたほうがいいと思います。もちろん、作風としてそういったことへのステートメントのような直接的に関わっていくアートもありですが、全てのアートがこうあるべきみたいなことはあり得ない。

超マクロな目で見るなら、人間が生産活動の手段を抜本的に変えないのであれば、人間は地球コミュニティーの一員として失格です。今すぐ行動を起こすべきです。ミクロな目で見るなら、紙資源を無駄にせず、デジタルで済むことはデジタルで済ますとか、私たち一人一人が地球温暖化をスローダウンするためにできることを実践するべきです。

*鳥光によるソーシャルディスタンシングについてのエッセイは、こちらをご参照ください。現代美術製作所 第8回 鳥光桃代 Wrong Place, Wrong Time

 

 

崔在銀

Q1 新型コロナウィルスにより、かつてない価値観の大転換が起こることが予想されます。それはどのような転換になると思いますか。

国境を越えて自由に移動したり旅を楽しんだりする今までのノマド的なライフスタイルは幕を降ろすような気がします。もしそうであればわれわれは脱グローバル化の入り口にさしかかっていると思います。グローバルな社会のシステムがドメスティックに変わり、また個人個人の生き方も変わり内面を考察する時代が来るでしょう。

Q2 その大転換期に、私たちアートに関わる者はなにをすべきだと考えますか。あるいはどうあるべきだと思いますか。

肥大化した資本主義社会においての生産や消費を促進させる表現はもう必要ないと思います。

Q3  多くの美術館やギャラリーがクローズし、オンラインのビューイングに切り替えています。実際に見たり体験することが出来ないというかつてない状況の中で、アートの表現においてインターネットや新しいテクノロジーはどのような変化、または進化をもたらすと考えますか。

表現方法におけるテクノロジーは今もあらゆる面で見受けられますので、劇的には変わらないとわらないとおもいますがVirtual とRealityの世界の差が目立つと思います。一方ビックデータによるプライバシー 監視システムなどの警戒すべき状況において、アートは国家と社会の理想的なバランスを取る役割を担うことと思います。

Q4 このパンデミックは人間が自然に対して行ってきた報いであるとも言われています。であれば、人間コミュニティの一員としてアーティストはどうあるべきであると考えますか。

一般的な言葉ですが人間は自然との共存の方法を真から考えなければなりません。パンデミックは、人類が今日まで自然からの警告を軽視し続け、超えてはならない一線を平気で破壊した結果であることは自明な事実であるといえます。アートはこの事実を直視し、人間が自然とともに存在する方法を考え出すべきであると考えます。 

ロックダウンよって、ヴェニスの海の水はエメラルドグリーンに戻り魚が往来し、インドの街からヒマラヤ山が見え、都市には綺麗な青空が戻った。これは地球環境へのコロナアイロニーともいえるでしょう。パンデミックは人間中心のエゴイズム的な社会から他の生命を尊重する利他主義的な考えを促す警告であり、人類はこの警鐘 に目を覚ますべきであると思います。

 

 


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2020-04-28|
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